日々のあれこれ

日々の暮らしの中で気になったことを書いておきます。

ウナギの話

 近所のスーパーの鮮魚コーナーに「土用の丑の日」の掲示が出されていた。

 その割にウナギは並んでいなかったので、何でだろうか? と思ったら、ただの予告表示だった。今年の土用の丑の日は、7月19日と7月31日の2日。そう、2回あるのだ。

 

 今年は稚魚のシラスウナギが豊漁らしく、ちょっとは値下がりしてくれるかもしれない。もっとも、養殖には1年程度かかるので、ウナギを安く食べられる可能性があるのは来年になりそうだが。

 

 一方で、EUが6月に、資源量の減少を理由にニホンウナギの貿易を規制するよう提案している。11~12月のワシントン条約締約国会議で採択されれば輸入が制限され、価格が高騰するリスクもある。

 ウナギなど、日本以外では、あまり消費されないのではないかと思っていたが、そうでもないようだ。

 

 世界最古のウナギの養殖場はオーストラリア、しかも6600年前に作られたという。日本がまだ縄文時代だった頃だ。その養殖場は、2019年に「バジ・ビムの文化的景観」として世界遺産に登録された。

 アボリジニのグンディッジマラ族によって作られたその養殖場は、200年くらい前までは使われていたらしい。ここで養殖されていたのはオーストラリアウナギという品種で、ニホンウナギとは別のものらしい。ちなみに、全世界で、ウナギは19種類(食用は4種類)が知られている。

 

 欧州でも、英国ではウナギを食べるという話は聞いたことがあったが、あの、微妙なゼリー寄せの印象が強く、あまり親しまれてはいないのだと思っていた。

 実際には、英国以外でも、ウナギを食べる文化はあって、さらには、謎多き魚としてウナギの研究が長く続けられていたという歴史もあった。

 精神分析学で有名なフロイトは、ウナギの研究をしていたという。雄ウナギの精巣を探す仕事、これがフロイトの最初の論文だったのだ。

 ウナギの成魚は河口から外洋の産卵場へ移動し、人間の目につかない場所に行ってから、卵や精子が成熟し、生殖巣が発達する。つまり、川で捕まえられるウナギは、性別がはっきりしないということである。

 

 ウナギは現在でも、なお謎多き魚である。

 ウナギの産卵場所は、ある程度推測されているが、いまだに、ウナギが産卵する瞬間は捉えられていない。

 ウナギの完全養殖という試みも、現時点では、費用対効果の点で課題が山積みの状態であり、結局、心置きなくウナギを食べることができるようになるのは、まだまだ先の話のようだ。